顧問弁護士 阿部泰典 プロフィール

日頃、運転手及び歩行者として気を付けておくべきこと

交通事故に遭った場合、賠償問題の中で過失割合がよく問題となります。過失割合とは事故の発生の責任がどちらにどれだけあるかを決めることです。
相手に生じた損害のうち自分の過失分を賠償しなければなりませんし、自分に生じた損害のうち自分の過失分は賠償金を受けられないことになります。
したがいまして、過失割合は、相手に支払う額、自分が受け取れる額に大きく影響してきます。
過失割合は、どちらがどれだけ交通ルールを守っているか、どちらがどれだけ道路状況に応じた運転・歩行をしているかによって決まってきますので、日頃より、交通ルールを守ること、道路状況に応じた運転・歩行をすることが大切だと言えます。

事故に遭われた際にすべきこと

事故後、事故態様(過失割合)、車両の損傷の有無・程度が問題となることが少なくありませんので、道路事情、交通事情が許せば、事故が生じた状態で車を動かさず、自分の車両や相手方の車両の停止位置・損傷状況などを携帯電話の写真機能で写真に撮っておくと、後々役に立つ場合があります。
事故を扱った警察においては、怪我の無い物件事故の場合には、「物件事故報告書」という簡易な書類が作成され、人身事故の場合には、「実況見分調書」という事故が起きるまでの過程を事故当事者が現場で指示説明した内容を詳細に記載した書類が作成されます。
後に、紛争になった際には、この「実況見分調書」、「物件事故報告書」が非常に重要視される傾向にあります。
したがいまして、臨場した警察官に対しては、事故発生状況について自分の認識している事実をできるだけ詳しく、かつ、正確に話すことが大切です(事故は起こそうと思って起こすものではなく、また、瞬間的に起きるものですので、詳しく正確に話すということは実はとても難しいことなのですが)。
怪我の無い物件事故の場合には、警察官は詳しい実況見分調書を作成しない関係上、「あとは保険会社同士で」などと言って、あまり丁寧に話を聞いてくれない場合がありますが、できるだけ粘って詳しく話を聞いてもらっておくと、簡易な物件事故報告書であっても、ポイントとなることが記載される場合があります。
その他事故直後においては、事故の相手方と本人の連絡先や加入している保険会社の連絡先の交換をするなどは当然のことですが、万一、相手方から念書や示談書のようなものに署名を求められたとしても、署名する必要はありませんので、署名しないように注意してください。

事故後に起こりがちなトラブルとその対策

事故の発生に自分に非がある場合には、謝罪をきちんとすることが大切です。謝罪がないことで感情的な対立となり、通常以上に紛争がこじれる場合が少なくありません。
 人間いろいろな方がいらっしゃいます。過剰な要求をしてくる被害者、連絡しようとしても何の反応もしてこない加害者、客観的な事実と異なる主張して何とか言い逃れようとする人等々。
 こうした場合は、毅然とした態度で望んだり、法的手続をとらないとどうしようもない場合がありますので、早い段階で弁護士などの専門家に相談されるのがよいでしょう。
 弁護士に相談する場合には費用の点が心配になったりしますが、最近は初回相談無料という法律事務所も増えておりますし、保険は通常自分が加害者になってしまった場合に備えて入るものですが、最近は、弁護士費用特約といって、自分が被害者になった場合に弁護士費用を出してくれる特約がありますので、自分が特約に加入しているかを確認してみるとよいでしょう。

後遺障害認定を受ける際の注意点

治療を継続しても、治癒せず、怪我の状況が変わらなくなる状態を症状固定と言いますが、症状固定になった段階で後遺症が残っており、それが所定の後遺障害等級に該当すると後遺障害による逸失利益や慰謝料が損害賠償の対象になってきます。
後遺障害等級に該当するか否かの審査は、損害険料率算出機構の調査事務所が行いますが、主治医に作成してもらう後遺障害診断書の記載内容が大きく影響しますので、主治医とは良好な関係を保ち、後遺障害診断書を詳しく作成してもらうことが大切です。
後遺症がレントゲンやMRI検査による画像所見上で認められると後遺障害の等級認定を受けやすいですが、頸椎捻挫等の場合、必ずしも画像所見上で認められるとは限りません。
その場合には、スパーリングテスト、ジャクソンテストといった神経学的検査での所見が必要になってきますので、そうした検査結果まで医師にきちんと記載してもらうことが重要です。
最初の結果が非該当や考えていた等級よりも低い場合に異議申立をして等級に該当することになったり、等級が上がったりする場合もありますので、認定結果に納得がいかない場合には主治医や弁護士と相談して異議申立を検討してもよいかもしれません。