診療と保障

むち打ちの診療

初期治療は基本的に極力安静が一番です。
少なくとも1~10日間は症状によりカラーキーパー等で首を固定します。
干渉波による消炎処置及び軽く愛護的なマッサージを行います。
この2週間で症状が軽快し完治する患者さんは残念ながらまれです。
その後の痛みに応じて、ホットパック(温める)、
低周波干渉波(バキュー、プレート)、牽引、及び
レーザー等の理学療法を施しつつ、

当院では手によるマッサージを中心に診療を進めていきます。

重篤な捻挫、椎間関節の形態を失う程の骨折・脱臼(一側性)、
神経根障害を伴う椎間板ヘルニア等の障害には椎間板切除、椎間固定、
上位椎体と下位椎体にプレート及びスクリューを併用する手術もあります。

多くの場合、30~40歳以上の患者さんではむち打ちをする以前より、
加齢により椎間板病変が外傷以前より存在していることがあります。
この現状に外傷が加わることにより、症状が著明に出て、
長期診療が必要となるのだと私は考えます。

  1. 筋肉の向上と可動域の向上
  2. 固定を外し、可能な時期になったら、
    今迄固定をして安静を保っていたため、
    筋力ダウンをした分、運動をしてもらうべく指導をします。
    例えば、
    骨を折ったらギプスを巻かなければ骨はつきません。
    しかし、ギプスをすると筋力は低下し、
    関節は拘縮(固く動かなくなります)
    これは裏腹ですが、仕方のないことです。
    その時期・時期で、今するべきことがあるのだと考えます。
    そのときでしか出来ない事は着実にしっかりとし、
    最終的な治癒までのプランを患者さんと一緒に考えることが
    大切だと私は考えます。

  3. 安静固定
  4. 腰痛症とむち打ち症は似ている部分があります。
    というのは、
    コルセット(固定)をすると患部は安静を保て、楽になりますが、
    周囲の筋肉が委縮し筋力のダウンがみられ、
    コルセットを外した後、
    首を支えづらくなる場合があります。
    ですから患者さんと我々の判断で
    固定除去の時期を間違えないことが大切だと思います。

  5. 筋肉を緩める(筋拘縮除去)
  6. まずは我々が信頼されるべき努力をします。
    診療の第一歩はリラクゼーションから始まります。
    患者さんの症状に合わせてマッサージを行います。
    私の浅はかな臨床経験ですが、
    診療というのは患者さんから
    「この先生に診てもらえば安心できる」から始まり、
    初診時より、どの位の刺激で治療を行うのが適しているか、
    どの様な人柄で、生活動作、職業、既往歴等治療に当たり
    患者さんが話してくれる様にする事が、
    患者さんの痛みを理解する上で必要と私は考えます。
    私は医師ではないので、
    その患者さんの死を見届けることは出来ません。
    しかし私が全て治せなくとも真摯な態度でいたいものです。

むち打ちの保障
交通事故での受診は、自賠責保険・任意保険が適用になりますので、
基本的に患者負担はありません(通院を対象とした説明です)。

  1. 治療関係費
  2. 治療にかかった費用及び診断書代

  3. 交通費
  4. 通院に際しての交通費(公共交通機関かタクシー、有料駐車場、
    自家用車のガソリン代)

  5. 休業損害
  6. 労働で得られていたはずの収入。自賠責では5700円/日。
    通勤災害等の特別給付は一部負担がある場合は、残存の補償 。
    主婦や失業中の方は賃金センサス等の計算となり、
    子供や学生で(アルバイト)をしていない方は休業損害の対象外となります。

  7. 慰謝料
  8. 現在4200円/日、この金額は自動車賠償責任保険(自賠責)
    に基づき各保険会社が立て替え払いをします。
    任意保険は日弁連交通事故相談センターによる入通院慰謝料表により
    算出されます。

  9. 後遺障害慰謝料
  10. 1級は4千万円、最下級の14級は75万円です。
    他覚的所見の乏しいむち打ち損傷は後遺障害の認定の対象外
    となることが一般的ですので、出来うる限り事故に遭う以前の体の
    状態にする事が私は大切と考えます。

例外
○加害者が無保険やひき逃げの場合は政府の保障事業制度があり、
加害者に代わり、政府が被害者に保障をします。
○基本的に健康保険は使用しませんが、健康保険組合に対し、
第三者行為による届出をすれば保険証を使用する場合もあります。